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GISとリモートセンシング/GIS & Remote Sensing

GISの原理、応用について簡単に説明します。

                                                                   

GISとは / リモートセンシングとは / リモートセンシングに挑戦しよう/ データの準備 / ビューワーによる表示
GISとは

GISとはGeographical Information System(地理情報システム)の略称です。コンピュータの発達により、空間を対象としたデータベースの構築、解析が簡単におこなえるようになりました。GISの恩恵を受けるのは、施設、資源管理など、今まで空間的なデータベースが構築されていなかった分野などでしょう。

GISを始めるには

■GISソフト

GISデータは大きく分けてラスター型とベクター型に別れます。有名なESRI社のArcViewはベクター型データを扱うのに適しており、ラスター型データの解析をおこなうためには、本体の倍の価格もするSpatial Analystというエクステンション(拡張機能)を別途、入手する必要があります。さらにそれらを3次元表示するためには、3DAnalystという別のエクステンションが必要となり、何をするにもお金がかかります。これらのソフトがはたしてそれだけの金銭的な価値があるかどうかは判断が分かれるところですが、少なくともGISの普及にとっては大きな障害になっていることは間違いありません。これらのソフトは決して使いやすいとは言えませんが、高額なだけあって、GUI(Graphical User Interface)を駆使し、大量のデータも処理できるようになっており、後述するフリーのソフトとは一線を画しているといって間違いないでしょう。同様のソフトにはMapInfoSISGeoBaseなどがありますが、いずれも高額です。

■フリーソフト
GRASS
GISが普及するためにはもっと廉価なソフトやフリーソフトの普及が不可欠でしょう。フリーのGISソフトとして有名なのがGRASSです。OSがUNIX環境(UNIX,Linux)に限られますが、Cygwin(UNIXのさまざまなフリーソフトウェアをWindowsに移植したもの)環境を構築することにより、WINDOWS上でも動かすこともできます。ただし、Linuxの動くPC上にインストールした方がはるかに簡単で間違いがありません。いずれにしても最低限のLinuxの知識は不可欠です。また、GRASSはGUIで使えますが、実際にはCLI(Comand Line Interface )で動いているようなものであり、使い勝手は決して良くありません。このようにさまざまな問題はありますが、GRASSは、ラスター型のGIS統合ソフトであり、リモートセンシング等のラスターデータの解析にも適しています。

SuperMap Viewer 2008
SuperMap Viewer 2008は、SuperMap2008ファミリーの無料版です。Viewerと謳っていますが、マップ作成・閲覧ソフトウェアであり、他社の主要ファイル型式のデータをインポートでき、作業結果をSuperMap2008ファミリーのファイル型式で保存できるため、実際に解析が可能なソフトです。扱えるデータの大きさにも制限はなく、データの種類はArcViewより豊富で、データ編集機能ではArcView本体よりずっと優れている部分もたくさんあります。不具合もいろいろありますが、目的によっては使い勝手がよいソフトです。お金はかけたくないが、GISでいろんな分析をおこないたい、という人にはうってつけのソフトでしょう。日本語マニュアルもありますが、決してわかりやすいものではないので、このサイトの入門講座がおすすめです。
なお、有料版には、すべてのGIS機能を備えたSuperMap Desktopと、図化・データ管理などに特化したSuperMap Express、GIS開発キットのSuperMap Objectsなどがあります。これら有料版が対象ですが、同社のサポートは非常に充実しており、どんな質問にも短時間で回答してくれます。

Quantum GIS
Quantum GISは、近年、注目を浴びているオープンソースのフリーソフトです。完全ではありませんが、一部のメニューが日本語に対応しており、比較的使いやすいのが特徴です。機能は豊富とは言えませんが、GISソフトの基本的な機能はひととおり揃っています。

TNTlite
統合ソフトとして有名なTNTmipsのフリー版がTNTliteです。リモートセンシングソフトとしての機能も持ち、非常に多機能なソフトです。制限はデータの大きさと保存型式だけです保存型式だけです。
※1:ラスター(614×512=314,368ピクセル),ベクタ(1500点,1500ライン,500ポリゴン)等

STIMS

本格的なGISソフトとしてSTIMSがあります。これは埼玉大学工学部大沢研究室で開発されているソフトで、「時空間地理情報管理システム 」と謳っています。一般的にGISは空間の概念には強いものの、時間の概念を特別考慮することはありませんでした。このソフトは時空間の施設管理や情報管理、時空間データベースとして利用可能なシステムです。ただ、私自身はずいぶん、前のバージョンをちょっと使った程度なので、これ以上のコメントは差し控えますが、使用条件はとくに定められていないので、興味のある方は是非、挑戦してみて下さい。

MANDARA
一方、空間解析機能は弱いものの、十分使えるソフトとしてMANDARAがあります。以前、有料バージョンもあったのですが、すべて無料となったようで、GISの普及に大変貢献しているすばらしいソフトです。国交省の国土数値情報に一部に対応しているほか、ArcViewで使われているshp(シェープ)ファイルも使え、エクセルなどのワークシートと連携すればいろんな分析が可能です。以前私は、このソフトで報告書を書いたことがありますが、ルーチン化した図の作成など、非常に便利でした。解説本もでており、比較的簡単に使えると思います。


カシミール3D
さて、GISソフトではありませんが、カシミール3Dと呼ばれる、「Landscape Navigator」ソフトがあります。市販の数値地図の多くがこのソフトで使えるほか、国土地理院の1/25000地形図も表示することが出来ます。そればかりか、GISデータも、ArcInfoのExport形式(拡張子E00)のファイルを読み込むことができますし、今年の4月からはとうとうLANDSAT画像(TM,ETM+)を読み込むことができるようになりました。また、ハンディGPSとの連携ができ、フィールドサーベイの結果を整理するときなど、非常に便利なソフトでしょう。

■データの作成補助
GISはデータがなければ、何の役にも立たないソフトです。しかし、データを作るのは一般的に大変な作業となります。そこで、使える場合には下記のフリーデータ等を利用して、労力を軽減しますが、基本は、各ソフトで作成するしかありません。とくに、ArcGISで標準のファイル型式であるshapeファイル型式であれば、どのソフトでも利用できるため、これらのファイルをサポートし、データを作成しやすいソフトで作った方が効率がよいでしょう。ただ、業界標準とも言えるArcGISですが、データの作成は決して簡単ではありません。そこで、データ作成を補助するソフトやプラグイン、エクステンションを使って、少しでも作業時間を減少させる必要があります。ArcGISのエクステンションですが、以下のようなものがあります。
  • ET GeoWizards (データの変換,編集など、非常に便利な機能が含まれている)
  • ET GeoTools (ベクターデータの編集機能が充実している)
  • Xtools Pro (有料だが、一部機能は使える)
  • Hawth's Analysis Tools for ArcGIS
  • Easy profiler(標高値ラスタや等高線ベクタ、tinなどから、断面図のデータを取得できる。従来、3DAnalystを使わないとできなかったこれらの作業ができる)
  • 基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツール(国土地理院で公開している、基盤地図情報の数値標高モデル(5m,10m,250mメッシュDEM)をGeoTIFFに変換するソフト)
  • 基盤地図情報メッシュ変換(基盤地図情報(数値標高モデル)の5mメッシュと10mメッシュについて、「JPGIS2.0形式」のxmlおよびzipファイルをshape,TINに変換するコンバータ)
また、フリーソフトではありませんが、Adobe illustrator のプラグインソフトで、以下のようなものがあります。
  • PLUGX-SHAPE(illustrator上でshpファイルの作成ができる)
■フリーデータ
GISデータを一から作ろうとすると非常に多くの労力を必要とします。幸いなことに、フリーのデータも提供されており、これらのデータをうまく利用することにより、あまりお金をかけずにGISの解析をおこなうことが出来ます。
また、ファイル変換が必要だが、数値地図25000(空間データ基盤)、2500(空間データ基盤)などもGISデータとして使用することができる。

■解析事例

例えば、崩壊地の範囲をポリゴン化し、単位流域毎の崩壊面積および崩壊面積率を算出する場合、手順は以下のようになります。
  • 崩壊分布図をスキャンしデジタル化する。
  • Adobe Streamline で流域界および崩壊地をベクトル(ポリゴン)化する
  • Illustratorで読み込み、修正ののち、プラグイン(PLUGX-SHAPE)で地理座標を与える。
  • ArcViewで開き、適当な投影座標系を与えてから、xtools等のユーティリティーを使って、流域面積や崩壊地ポリゴンの面測をおこなう。
  • 単位流域面積毎に集計し、主題図を作成する。(図1)


図1 流域毎の崩壊面積率の分布
                                
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